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安心で安全な野菜とは?①

半年にわたるイチゴ栽培も先月末をもって終了し、次作の苗作りが始まっています。イチゴは夏に苗を育て、秋に植え付けし、冬春に収穫をするというサイクルで一年が回っています。言わば一年のスタートです。

収穫期は目の回るような忙しさなので、なかなかお客様とコミュニケーションを取ったり自身の思いを伝えたりすることが難しいです。ブログというのは一方通行ですがとても便利ですね。


かんたまさんがどのような農家なのか。どんなことを考えて野菜を育てているのか。すべての皆さんに広く浅く知ってもらうよりは、かんたまさんに興味を持たれている限られた皆さんに深く知っていただくために、比較的時間のあるこの時期を利用して自由に思いを綴ることが出来ればと思います。


皆さんは安心で安全な野菜とは何だと思いますか?


農薬を使っていない野菜でしょうか。化学肥料を使っていない野菜でしょうか。作った人の顔が分かる野菜でしょうか。


慣行栽培という言葉があります。ウィキペディアで調べてみると、「普通一般に行われている栽培方法で、通常生産過程において農薬や化学肥料を使用する従来型の栽培のこと」とあります。もちろん農薬も使用基準はきちんと満たしていますし、法的にも全く問題のないちゃんとした野菜です。

対して「慣行栽培ではない野菜」は多岐にわたります。無農薬栽培、自然農、○○式栽培法、△△理論、、、星の数ほどあります。作り手が名前を付ければそれは立派な栽培方法です。それぞれ作り方にいろいろとこだわりやクセがありますが、法に触れず倫理的にもおかしな経過を経ずに作られたものであれば、もちろんこれらもちゃんとした栽培方法ですし、できたものはちゃんとした野菜です。


ここから書くことは完全に100%個人的な印象です。気分を害される方がいらっしゃれば先に誤っておきます。ごめんなさい。


私の印象では慣行栽培で作られた野菜はなんとなく顔が見えないように売っている気がします。部会というものに属した場合、すべての農産物はひとつにまとめられて個人の名前ではなく団体の名前が見えるように商品棚に並びます。今でこそ部会でもパックの一つ一つに見えるような形で名前を付ける流れになって来ているようですが、まだまだ団体のネームバリューの方が大きいと思います。

理由はいろいろとありますが、個人的な印象では「みんなと同じ」という価値を大切にしているように感じます。味も規格も作られた経過もそれぞれ違うはずです。でも店頭に並べられた野菜は「○○産」「△△部会」の顔の見えない野菜になります。

慣行栽培で個人的に直売所で販売される農家もいます。その野菜は生産者の顔は見えます。でも当たり前ですが「慣行栽培!!」というPOPは付けません。「農薬もバッチリ使ってます!!」という表示をわざわざしません。コッソリ売る、とまでは言いませんが「普通に」販売され、購入者側も「普通に」購入します。


対して慣行栽培ではない野菜はとにかく顔が見えるように売られています。農薬を使っていない場合はたいてい「栽培期間中農薬不使用!!」と書かれます。「有機JAS!!」という表示も見られます。この野菜は他の野菜とは違うのですよ、とアピールを行います。だから多少価格が高くても買う人もいます。もちろんアピールとかではなく、お客さまのためにきちんと表示しなければという側面もあります。できるだけ農薬を使わない、化学肥料を使わない野菜を探している人にとっては、表示がないと分からないですし。


はじめに言っておきますが、私はそのどちらの栽培方法についても否定的ではありません。なぜならかんたまさんはその両方の栽培方法を使い分けながら経営をしています。


さてなかなか本題に入らないのですが、もう少し前置きを。


皆さんは普段どちらの野菜を食べていますか?

購入していますか?ではなく、食べていますか?です。


答えは簡単です。両方です。皆、割合は違えどすべからく両方の野菜を食べています。どちらの野菜の方が美味しいか、高価か、手に入りにくいかなどはありますが、今の社会でどちらか一方だけを食べて暮らすことはできません。

学校給食だってそうです。外食だってそうです。友人の家にお呼ばれした時だって。宗教的な理由でお肉を食べなかったりその種類を制限したりすることはできても、野菜は特定のものだけを食べ続けることはとても難しいのです。


私の好きなドラマに「パンとスープとネコ日和」というのがあります。小林聡美さん主演のドラマで、サンドイッチとスープを出す小さなお店のお話なのですが、その中で母親と小さな女の子がお客として訪れるシーンがあります。母親は店主であるアキコ(小林さん)に浸かっている野菜はどこ産か、無農薬か、これは料理に入れていい、これは入れないでくれと細かく注文をします。たしかそんなワンシーンでした。

ここまで徹底させることは、現社会で生きていくには相当の信念と忍耐と分厚いお財布が必要です。

ドラマの中ではちょっぴり皮肉めいた表現で描かれていました。何事も度が過ぎると滑稽に写るね、ということでしょうか。


一回目はここまで。長くなるので何回かに分けて書きます。

さて安心安全な野菜とは?


このブログはただの一農家の独り言です。その独り言からなにか生活のヒントのようなものを感じてもらえれば嬉しいです。農家の役割は美味しい野菜を提供することだけではありません。皆さんよりも多くの時間、野菜や畑に触れているからこそ得られる視点や考え方があると思います。それを「ふむふむ、そういう考え方もあるんだな」と感じてもらえれば楽しいです。


かんたまさん

ヒゲ

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