- kantamasan
かんたまさん、前進。


今回はいつもより二割増しまじめなお話です。
これから書くお話は、農業をやっている人間にとっては最近は浸透して来たジョーシキなのですが、一般の消費者の方々にはまだまだ誤解の多い部分ですので、特に極々一般的な(就農前のかんたまさん一家のような)消費者さんに向けてお話できればと思います。
さて、皆さんは虫食いのあるお野菜を見てどう思われますか?
ひと昔前だと、無農薬野菜の象徴でした。虫食い。
銃撃戦のように開けられたキャベツの穴からひょっこりと顔を出すイモムシ。
ギャッ!と鈍く叫びながらも、「無農薬、無農薬。安全の証なのだから」と言い聞かせていたお母さん。
これは自然栽培や有機栽培、無農薬栽培など、慣行栽培(フツウの栽培)とは異なる作り方で育てられた少々値の張るお野菜の調理の際では、ごく当たり前の光景でした。
「美味しいお野菜の味は虫たちが一番良く知っている」
これは間違っているということがだんだんと知られるようになってきました。
知らない人にとっては結構衝撃的な事実ですが、本当に美味しいお野菜には害虫はつきません。
少しだけ難しい話をざっくりと説明します。化学が苦手なアタクシと同系統の方々も頑張って読んでみてください。
害虫が寄って来る理由は色々ありますが、根本的には植物に含まれる「硝酸態窒素」というものが多く含まれているかどうかということなのです。
この硝酸態窒素というものは主に化成肥料に含まれており、この化成肥料をたくさん使えば使うほど土中の硝酸態窒素の量は増えていき、それを吸ってできたお野菜は硝酸態窒素を含むということになります。
化成肥料をたくさん使うと、お野菜はどんどん大きくなりますが、害虫もどんどん寄って来ます。野菜の味に関してはエグみが強くなるので美味しくありません。
これに対し、有機肥料を使用するとじっくりとお野菜は同じように大きくなりますが硝酸態窒素の値は少なくなりゼロに近づくので、理論上害虫は寄って来なくなります。
もちろん虫が付く付かないの理由はそれだけでは無いのですが、硝酸態窒素が問題のあるものであることは間違いありません。
さらにこの硝酸態窒素というものは人体にとってガンを引き起こすと言われています。
ここで難しいのは、硝酸態窒素は悪ですが、単純に有機栽培は○で、慣行栽培は×というわけでもないということです。
下手な有機栽培よりも上手な慣行栽培の方が良い場合もあるからです。
かんたまさんは今、一皮むけるための新しい栽培方法を勉強しています。その栽培方法をマスターできれば、硝酸態窒素も減るし、病害虫も減る。農薬散布も極端に減らせるかもしれない。
写真はそのための第一歩。土壌分析です。
今までも毎年行ってました土の健康診断ですが、今年はその目的が違います。多くは語れないのですが、とにかく前とは全く違うかんたまさんに生まれ変わるための検査です。今頃検査機関でいろいろと調べられていると思います。
かんたまさんは少しずつ変わる努力をしています。
今まで「美味しい!」と言ってくださっていたお客さまが「前よりもっと美味しい!」と言ってくださるように。
初めて食べてくださるお客さまが「出会えてよかった」と言ってくださるように。
二枚目の写真、ロッソナポリタン初収穫!
糖度はこの時期に似つかわしくない8.0!8.3!8.7!8.5!
まとまっての収穫はもう少しもう少し。すぐにお知らせします。
次回は量も採れるようになってきたその他の夏野菜の続報。
そろそろ畑での直売スタートかな~